頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラルセラピー) |
大阪心斎橋のエルンテ整体院
「頭蓋仙骨療法(ずがいせんこつりょうほう)」って聞き慣れない言葉だと思います。
英語では「CRANIOSACRAL THERAPY(クラニオセイクラルセラピー※)」(以下CST)と呼ばれていて、このページでは当院で施術に用いているCSTについて詳しく解説しています。
※「クレニオセイクラルセラピー」「クラニアルセラピー」と呼ばれる事もありますが、基本的に同じです。
1.頭蓋骨仙骨療法を受けるとどうなる?
頭蓋仙骨療法の一部の手技だけでも受けると、ほとんどの方が「すっきりした!」という感想を述べられます。
5g程度の圧で頭をさわる(頭の皮膚に触れている)だけなのですが、体は反応して変化していきます。体の余計な緊張がとれて柔らかくなります。
体が自分の状態について気づき、自動的に調整を掛けて元のあるべき健康な状態へと戻ろうとするのです。
2.頭蓋骨仙骨療法が適応している障害や症状について
急性痛や慢性的疼痛、自律神経系の問題、内臓の機能問題、目や鼻など感覚器系の障害、有害な老廃物を体外へ排出、筋肉や関節の弛緩などに有効だと言われています。
頭蓋仙骨療法のテクニックのページにも詳しく記していますので、ご参照下さい。
3.頭蓋骨と仙骨は絶えず連動している
まずは人間の頭蓋骨と仙骨の関係について簡単に説明します。
人間の脳は外側から順に「硬膜(こうまく)」「クモ膜」「軟膜(なんまく)」の三層の膜で覆われています。
この三層の膜は、脊髄神経を尾骨まで覆っています。そしてこの硬膜の下のクモ膜下腔と呼ばれる空間には「脳脊髄液」(以下C.S.F.)が満たされています。
C.S.F.は頭蓋骨内部から脊髄脇を通り、尾骨まで達するとまた脳へ向かって循環しています。
この循環は人間が生まれてから死ぬまで変わる事無くリズミカルであり、あたかも呼吸と似た動きなのです。
このC.S.F.は絶えず脳内で生成され、クモ膜下腔での吸収を繰り返しています。
この生成と吸収のバランスにより、蝶形骨(ちょうけいこつ※)が駆動力となって後頭骨と仙骨の回転軸によって脊柱管中の硬膜が屈曲伸展(イメージとしては伸びたり縮んだり)します。
これが頭蓋仙骨リズムであり、皮膚の上からでも触って感じることができます。
※蝶形骨とは頭蓋骨を構成する骨の一つであり、ちょうどこめかみあたりに位置し脳を支えています。
4.硬膜の捻れは様々な神経障害を引き起こします
頭蓋仙骨のリズムは硬膜のわずかな捻れによって阻害されることがあります(硬膜障害)。
その際C.S.F.の流れが潤滑に行われなくなり、様々な原因不明の神経障害を引き起こすのです。
硬膜障害は単に衝撃にのみによらず、筋拘縮・ストレス等によって引き起こされます。
これは椎骨関節(背骨の関節)と同じであり、また頭蓋骨の縫合の動きも阻害されることに
なります。
5.頭蓋仙骨リズムを確認してみましょう
頭蓋仙骨リズムを調べることで、硬膜障害が起こっているのかどうか判別しやすくなります。
このリズムの触診は筋組織を介して身体のあらゆる箇所で出来ます。
頭部の縫合の開閉を触診する場合、前頭骨を使ってみましょう。
指でまゆ毛のラインを顔の中央から外へなぞっていくと「カクっ」とラインが曲がる箇所があります。そこから頭頂に向かって更に指でなぞります。髪の生え際までの中間ぐらいの位置に指三本程度でそっと触れます。
触れる圧は5g~10gと言われていますが、分かりにくいと思いますので、「目に当てても痛くない
程度の圧」の感覚を意識してやさしく触れます。
しばらく触れていると下図のように伸縮時(左)は縮小する動き、屈曲最大時(右)は膨張する動きを感じ取ることができます。また頭蓋の縫合の広がりは最大0.8mmです。
頭蓋仙骨リズムは1屈曲1伸展を1回としてカウントします。
通常1分間に6~7回のリズムです。
この回数より多過ぎたり少な過ぎると、C.S.F.の循環に異常があり、硬膜障害が起こっている
可能性があります。